フッ素で子どものむし歯予防
お子様の歯が一本でも生えたら、フッ素塗布でむし歯予防を!

お子様の歯が生え始めたら、最初に考えていただきたいのが、フッ素塗布によるむし歯予防です。
フッ素塗布は、歯科医院で専門的に行われる処置のひとつです。歯の表面を丈夫にしてむし歯菌から守る働きがあり、お子様の大切な歯を健康に保つのに欠かせません。
当院ではお子様の年齢や歯の状態に合わせて、適切なタイミングでのフッ素塗布をご提案できます。
ただし、フッ素塗布だけでむし歯予防が完璧になるわけではありません。日々の歯磨きもお口の健康を守る欠かせない習慣の一つです。
むし歯ができる仕組み
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むし歯菌の活動
お口の中には常在菌として、むし歯の主な原因となるミュータンス菌が存在します。ミュータンス菌は糖分を栄養源として活発に活動し、酸を生成することでむし歯を引き起こすのです。
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食生活の影響
砂糖を多く含むお菓子やジュースなどを頻繁に食べると、細菌のエサとなり、むし歯リスクが高まります。特に、就寝前の甘い飲食物の摂取は要注意です。
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不十分な歯磨き
歯ブラシでプラークを丁寧に取り除かないと、むし歯菌が繁殖しやすい環境になってしまいます。フッ素配合の歯磨き粉を使い、隅々まで磨くようにしましょう。
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個人差のある歯質
歯の表面を覆うエナメル質の厚さや密度には個人差があります。歯質が弱いと、むし歯になりやすくなってしまうのです。遺伝的な要因もあるため、家族でむし歯が多い場合は特に注意が必要です。
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生活習慣の乱れ
不規則な食事時間や間食の多さ、ストレスなどによる睡眠不足も、むし歯の発症リスクを高めます。規則正しい生活リズムを心がけることが、お口の健康維持につながります。
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子どものむし歯の進行過程
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初期段階(白い斑点)
むし歯菌が歯の表面で活動を始めると、エナメル質が徐々に溶かされ、白っぽい斑点が現れます。この段階では痛みはほとんどありませんが、むし歯の始まりであるため、早めの対処が肝心です。
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エナメル質のむし歯
むし歯がエナメル質を溶かすと、歯の表層に小さな穴があきます。冷たいものがしみる、甘いものが痛いといった症状が出始めますが、まだ自覚しにくい時期でもあります。
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象牙質のむし歯
エナメル質の内側にある象牙質まで、むし歯が到達した状態です。象牙質はエナメル質よりも柔らかいため、急速に症状が進行します。鈍痛や違和感が生じることもあります。
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歯の深部に進行したむし歯
むし歯が歯の中心部である歯髄まで到達すると、細菌に冒された神経は炎症を起こします。歯髄炎を発症すると、耐えがたい痛みが続き、頬が腫れ上がることもあります。重症化すると、歯を失う可能性もあります。
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神経に達するむし歯
むし歯が象牙質の奥深くに達すると、歯の神経の近くまで侵食されます。激しい痛みに襲われ、温度変化にも過敏に反応するようになります。
フッ素の適切な使い方

フッ素は、歯を強くするだけでなく、むし歯予防にも効果的な成分です。歯から溶け出したカルシウムやリンを補い、歯の表面を修復する働きがあります。さらに、むし歯の原因菌の増殖を抑え、歯を溶かす酸の生成を防ぐ効果も期待できます。
お子様の歯は特にむし歯になりやすいので、フッ素塗布はおすすめです。乳歯や生え変わったばかりの永久歯をむし歯から守り、丈夫な歯を育てるためにも、歯科医院での定期的なフッ素塗布をご検討ください。
フッ素の効果

- フッ素の効果で歯の表面をコーティングし、むし歯菌の侵入を防ぐ
- 定期的なフッ素塗布で、むし歯の進行を防ぎ、健康な歯を維持
- 歯が本来持つ修復力を高め、初期のむし歯を自然に治すことをサポート
フッ素の安全性について
歯科医院で使用されるフッ素は、「フッ化ナトリウム」という成分です。お茶や海藻など、日常的に口にする食品にも含まれている物質なので安全性に問題はありません。ただし、過剰に摂取すると、歯の表面に白濁や白斑などが生じる「斑状歯」などの症状が現れる可能性があるため、歯科医師の指示に従って適量を使用することが大切です。また、フッ素入りの歯磨き粉を使う場合は、お子様が誤って飲み込まないように注意しましょう。
よくある質問
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Q
フッ素を使うと虫歯になりにくいですか?
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A
フッ素は、歯のエナメル質を強くする働きがあるため、むし歯のリスクを大幅に下げることができます。むし歯菌の活動を抑制し、歯の再石灰化を促進する効果も期待できるのです。ただし、フッ素の力を最大限に引き出すには、正しい使用法を守ることが重要です。
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Q
どうすればフッ素の効果が出ますか?
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A
フッ素の効果を実感するには、歯科医院での定期的なフッ素塗布がおすすめです。プロの手によるケアで、お子様の歯をむし歯から守ることができます。また、ご家庭ではフッ素配合の歯磨き粉を使い、丁寧に歯磨きを行うことで、フッ素の力を日々の予防に活かすことができます。
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Q
フッ素は身体に良くないというのは本当ですか?
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A
フッ素は、自然界に存在するミネラルの一種です。適切に使用する限り安全性は確保されています。過剰摂取には注意が必要ですが、歯科医師の指導のもと、適量を使えば問題ありません。体への影響を心配される方もいらっしゃいますが、科学的根拠に基づいた使用法であれば心配はありません。
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Q
フッ素の使用に年齢制限はありますか?
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A
フッ素塗布は、乳歯が生えたら開始できます。お子様の歯のむし歯リスクに合わせて、歯科医師が適切な時期を判断いたします。成長に合わせて、永久歯が生えそろった後も継続することが大切です。年齢に関わらず、生涯にわたってフッ素の力を利用して、健康な歯を守りましょう。
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Q
フッ素塗布の頻度はどのくらいですか?
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A
フッ素塗布の間隔は、お子様のむし歯リスクによって異なります。基本的には、3~6ヶ月に1度のペースが目安となりますが、むし歯になりやすいお子様の場合は、もう少し短い間隔で行うことがあります。